「ああ、また見つけてしまったわ…」 クローゼットの奥深く、古びたレースのパンティーがひっそりと潜んでいるのを発見してしまった瞬間、胸がドキッとしたの。まるで忘れられた日記を見つけたみたいな感覚。そっと手に取ると、ゴムはもう役目を果たしきったように伸びきっていて、レースもかつての輝きを失っていた。 「これ、もう捨ててもいいよね?」 自分に問いかけてみるけど、すぐには答えが出ない。捨てるべきものだと頭ではわかっているのに、なぜか心が妙にざわつくのよ。このパンティーを履いていた頃の記憶が、鮮明によみがえってくるから。 あれはまだ子どもが独り立ちして間もない頃だったわ。久しぶりに自分のために買った一枚のレースのパンティー。履くだけで気分が華やぐというか、自分を少し大切にできたような気がしていた。朝、鏡の前でそっと履く瞬間の小さな高揚感。仕事の合間にふと思い出して「今日は少しだけ特別な自分でいられる」と思える感覚。 「でも…もうこんなにボロボロだしね。」 今のパンティーを目の前にして、声に出してみても、なぜか決断できない自分がいる。どうしてこんなに迷うのかしら。 キッチンのテーブルにパンティーを置いて、コーヒーを一口。落ち着こうとしたけど、余計に気持ちがかき乱される。 「ねえ、あなたならどうする?」 もちろん目の前には誰もいない。ただ、自分にそう問いかけてみるだけ。でも、もし友達にこんな相談をしたら笑われるのかしら。 「たかがパンティーのことを、そんなに悩む?」 そんな声が聞こえてきそう。でも、私にとっては「たかが」じゃないのよ。この一枚には、私のちっぽけだけど大切な物語が詰まっているんだから。 部屋に戻り、再びパンティーを手に取る。陽の光がレースの隙間から漏れて、どこか儚げに見える。 「捨てられるのを待ってるのかしら、それとも…まだ履いてほしいって言ってるの?」 そんなことを思う自分に、自分で苦笑してしまう。誰も答えてくれない問いかけを、心の中で繰り返すだけ。でも、その時ふと気づいたの。 新しいショーツを買ったときの気持ちって、これを初めて履いたときと同じくらい嬉しいのよね。レースが新しくて、ゴムがしっかりしていて、肌にフィットする心地よさ。その瞬間、気持ちが前向きになる。 「そうだ、新しい一枚を迎えるって、こんなにも幸せだった。」 古いパンティーを捨てることは、新しい自分...