【昭和パンタロン物語】濡れたすそと、心の湿り気【Fashion Lookbook】
あの頃の東京って、
夕立が多かったのよ。
昼下がりまで晴れてても、急に黒い雲が湧いてきて、、、
ざぁって、まるで誰かの涙みたいに降るの。
その日もそう。
銀座の路地裏でね、
ふと入った喫茶店から出たら、もう地面が濡れてた。
私、白いパンタロンだったのよ。
おろしたての、リネン混のちょっと高いやつ。
なのに、石畳の水たまりが跳ねて…
すそがじっとり染みてきたの。
でも、不思議ね。
その冷たさが、なんだか女であることを
思い出させてくれる気がしたの。
雨に濡れたパンタロンって、
肌にぴったり張りついて、
太ももや膝のラインが浮き出るのよ。
まるで、誰かに見られてるような気持ちになるの。
あのときもね、
通りすがりの男の人が、ちらっと足元を見たの。
目は合わなかったけど、感じたのよ——
視線って、空気に染み込むから。
私、すそを気にするふりして、
わざとゆっくり歩いたわ。
濡れた布が脚にまとわりつくのを感じながら、
「どう? この女、まだいけるでしょ?」ってね。
誰にも言わなかったけど、
……あれは、私の小さな見せ場だったの。
若い頃って、
そういう「秘密の舞台」に立ちたくなるものよ。
たとえ、それが雨上がりのぬかるんだ路地でも。
濡れたすそと一緒に、
私の心にも、少しだけ湿り気があったのかもしれないわね。
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